鉄道線用の木造単車のデワは模型ではよく見かけますが、
実例となると、そんなには多くないことに気がつきます。
その中で、長生きしたゆえに見る機会が多かったのは静岡鉄道のものと、この豊橋鉄道のデワ11ですね。
とはいえ、この車両は、もともと電動貨車だったわけではありません。
渥美電鉄は1923年の開業にあたり日本車両製のボギー車と単車を同数そろえるという、ちょっと変わった構成になっていました。
その単車、デハ101~103が、この前身。
名鉄合併でモハ1~3になった後、戦時中の貨物輸送量増大に合わせ、電動貨車(モワ31~33)に改造されました。そのうちの33が1966年の大改番でデワ11になりました。
屋根が深く、どことなく落ちついた感じがするのは、もと旅客車であることが原因かもしれません。

・豊橋鉄道渥美線 デワ11 1996年8月 高師
昇圧後、沿線(田原市内)で保存されるとは、誠に強運だと思います。
※2018.6.30 画像を交換しました。