大井川鉄道には何度も行っているのですが、いつも目当ては旧型電車だった私。
しかし、この度、漸くにしてはじめて蒸気機関車列車に乗り、寸又峡温泉に泊まり・・という定番コースをたどりました。そして、井川線にも15年ぶり乗車してきました。井川駅前が土砂崩れで海芝浦状態になっている、という体験も。

大井川鉄道井川線 ED903(-ED901) 2008年9月 アプトいちしろ
井川線の名所はいろいろありますが、その代表は長島ダム建設に伴うアプト式ラックレール使用区間でしょう。ここで動く機関車がED90。日立製の56t機で、私鉄では相当重い機関車となります。通常は、単機で列車を押し上げますが、ディーゼル機関車(DD20)が編成内に2両入っている場合は、重連で押し上げるようです。
それにしても、アプトいちしろ駅周辺は何も無く、よくこの図体のでかい車輛を持ち込んだものだ・・と思いました。そもそも、アプトいちしろ~長島ダム1.5kmの周囲にあるのは発電関連施設ばかりで、まさしく産業鉄道。よくもまあ、こんなところにこんなものを平成になって開業したものです。で、このアプト線ができてからもう18年なんですね。いやはや。

さて、今回長島ダム駅で降りて、アプトいちしろまで歩いてみました。
ちょうど、ラックレール区間を横から見ることができますた、物凄い勾配を上っているのが解ります。そして、電機と他の井川線車輛の断面差。これまた必見です。

この急勾配の区間は、法律のからみか、昭和末期の建設区間だからなのか、高規格路線となっています。
この写真は、長島ダム駅から井川側を見たものなんですが、森林鉄道然とした井川線とは完全に異なる雰囲気。架線柱といい、複線断面のトンネルといい、なんとなく、国鉄がド派手な改良をやった区間・・・たとえば、福知山線の武田尾や、山陰本線の保津峡を連想させます。
一方、廃線跡の一部は「一応」遊歩道として整備されており、数箇所のトンネルを潜ることができます。

ここは「ミステリートンネル」とパンフレットに書かれているので、期待して行ったのですが・・・。
その真相はというと、トンネル内照明が整備されていない為なのです。
幸い、同行者が懐中電灯を持っていたため事なきを得ましたが、別の意味でミステリーになっちまうぞ!と思ったものです。なお、アプトいちしろ側から入れば、途中のキャンプ場利用客のために懐中電灯は貸してくれるそうですが、長島ダム側からたどると、特に注意書きがあるわけでもなく、全く気がつきません。もし歩かれる場合はご注意を。