大手私鉄数あれど、戦前より多数の電気機関車を保有していたところとなれば、南海と名鉄くらいになるでしょう。この名鉄でも前身各社別に見ると差があり、路面電車の郊外路線を祖とする名岐鉄道は貨電中心なのに対し、当初より郊外電鉄であった愛知電気鉄道や、蒸気鉄道から電化した三河鉄道は多数の電機を取り揃えていました。

・名古屋鉄道瀬戸線 デキ376 1996年3月 喜多山
うち、愛知電気鉄道の車両は、電車と同じくウェスティングハウスの機器を搭載した車両が導入されました。というわけで、機関車もおなじみのWH+BWの凸電となるわけですが、これは最初の2両(デキ371・372)だけ。残りは日車製のボディにWHの機器という組み合わせになっています。
このデキ376も、そんな1両で1928年日本車両製。
同じBWのデッドコピーであっても、前面窓の配置に多少のアレンジが加えられた蒲原鉄道のED1に比べると、オリジナルに忠実であることがわかります。
この車両は長らく本線系統で使われ、1982年にはさよなら運転が実施されています。しかし、実際には、その後新川工場所属になり、瀬戸線大曽根駅付近の高架化工事に借り出され、最終的には喜多山車庫の入替用および工事用として2007年まで使用されました。
それにしても、この塗装は、アメリカのインタアーバンの電機そのものですね。
彼の地のトロリーファンがこの車両を見たなら、狂喜乱舞したか、それともパクリと罵ったか・・・。