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2019年 05月 12日 ( 1 )
水間鉄道 モハ501形
 水間鉄道は1990年8月に架線電圧を直流1500Vに昇圧をして以来、もと東急7000系が走っています。
その直前、600Vの頃に在籍していたのがもと南海1201・1901形のモハ501形(およびクハ551形、サハ581形)でした。かつて、水鉄では雑多な中小形車を使用していましたが、南海電鉄の架線電圧昇圧に伴い大量に廃車となった当形式を1971~1973年に12両譲り受け、車種統一を果たしました。関西でいちばんのミニ電鉄だからできた技でもあるのですが、当時のローカル私鉄では画期的なことでありました。

 最も、南海1201形は製造時期によって外観の差があり、また改造で両運転台車と片運転台車が混在していたので、それなりのバラエティが存在していました。
水間に入線したのは以下のようになります
(★は両運転台車、●は貝塚側片運転台、◎は水間側片運転台)
・1次車が3両(南海モハ139~141→モハ1206~1208→水鉄モハ501★、502★、506◎) 
  全長が220mm短い18080mmで、前面の雨どいが弧を描く
・2次車が3両(南海モハ1212、1214、1215→水鉄モハ504◎、508◎、509●)
  全長が18300mmになり、前面の雨樋が直前、また前面裾にスカートがある。
・4次車が2両(南海クハ1905、1908→サハ1905、1908→水間サハ581、582)
  窓の位置が2次車より1段下げられた3次車を踏襲したが、車内が準戦時設計で簡素化された。
  1905は戦災復旧車ながら、車体が原形になった例外的な個体。
・5次車が3両(南海クハ1912、1913、1914→モハ1239、1240、1237→水鉄モハ503★、510◎、505●)
  戦時設計で、車内の通風対策として1段下降窓を採用した。
・戦災復旧の車体新造車が1両(南海モハ1211→水間モハ507●)
  5次車に準じた車体を持つ

ただし、片運転台でもモハ504、505、506、509には、撤去した運転台の乗務員扉が残っており、一見両運転台に見えるものとなっていました(サハもクハ時代の乗務員扉が残存)。
 また、1984年にはモハ502、504、510の3両を電装解除してクハ551~553にしました。これは蛍光灯を交流化するにあたり、制御器・抵抗器を取り外したスペースにMGを取り付けたため。最も、パンタグラフは残されたため電動車時代とそれほど外観は変わっていません。モハ502→クハ551はこの時に貝塚側の運転台が撤去されています。
このようにして、最終的にはサハ2両が同型であるほかは、全てバラバラの内容となっていました。

なお、主電動機は三菱MB-146SFR(端子電圧750V・定格出力93.3kW)に、主制御器も電空カム軸式のGE製PC-14AもしくはPC-14Nに統一されていました。
e0030537_02314536.jpg
・水間鉄道 モハ501 1989年7月 水間

 さて南海1201形は、南海の昇圧後も貴志川線に10両が残存していましたが、私が乗車した平成元年の時点では随分と異なる印象を持ちました。蛍光灯の変更や前照灯のシールドビーム化は南海でも行われていましたが、車内はニス塗りのままでした。一方で水間の車両は車内はデコラ張りとなり、窓枠はアルミサッシ化。なによりクリーム色に赤と水色の明るい塗装となっており、こちらのほうが随分と「いま風」に感じたものです。この車内のデコラですが、ニス塗時代の形状を踏襲しており、扉の両脇が出っ張っていたのが印象的でした。
 この画像はその際に撮影したものですが、留置車両を撮影しようにも本線のポール等が邪魔でこんな写真しか撮ることができませんでした。おそらくは、当時見た本で、貝塚駅まで行けば車両の撮影ができると思っていたのでしょう。しかし、貝塚は橋上駅舎化の真っ最中で撮影できず・・・行きは阪和線の和泉橋本駅から石才駅まで歩いたことが仇となったわけですが、今思うと何とも残念な話ではあります。
e0030537_02320268.jpg
e0030537_02315969.jpg
・水間鉄道 クハ553(保存) 2001年8月 水間

 最も、うれしいことに今でも1両が水間観音駅に保存されています。
一段下降窓を持つモハ510→クハ553で、このときは廃車時の塗装でしたが、現在はその前の赤とクリームに塗られています。

・参考文献
吉川寛・藤井信夫「私鉄車両めぐり73 南海電気鉄道 鉄道線電車[3]」 鉄道ピクトリアル201号(1967年9月)
三木理史「関西地方のローカル私鉄 現況4 水間鉄道」 鉄道ピクトリアル445号(1985年3月増)

by hiro_hrkz | 2019-05-12 01:16 | 鉄道(旧形電車) | Trackback | Comments(0)