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2024年 03月 20日
ということで、私の先祖が残したものに纏わることを書いてみたいと思います。 10年くらい前のことになりますが、実家が引っ越す際に整理をしていたところ、何枚か戦前の旧い写真が出てきました。そのうち2枚には電車が写っており、思わず声が出てしまいました。それをここに公開したいと思います。 写っている車両は、京王線独特の規格で1964年の昇圧まで主力であった14m級車ですが、この頃は単行であり隔世の感があります。1枚目の駅に停車中の車両は玉南電気鉄道引継ぎの木造車1形(のちの大東急→京王帝都電鉄2000形 1925年日本車輌または1926年雨宮製作所製)、2枚目で走行中の車両はダブルルーフの鋼製車で窓割りからロングシートの110形(同 2110形 1928年雨宮製作所製)だとわかります。これらは1940年頃に3扉化されているので、それよりも前になります。 これを撮影した場所は1枚目の右側に留置線と研修庫が写っていることから、桜上水・・・その昔の京王車庫前もしくは北澤車庫前、2枚目も電車の背後に研修庫が写っていることから、桜上水~上北沢であることがわかります。その両地点が現在はどうなっているのか、高架化工事が進む前に見ておこうということで先日撮影してみました。 桜上水駅は20m級10連が停車できるようになった現在でも、基本的なレイアウトは戦前からあまり変わっていません。ただし、正確な位置などわかるわけがないので、駅を発車した電車と留置線が共に写るアングルで撮影してみました。 一方、桜上水~上北沢で撮影した写真は、商用電力の送電線を併設した背の高い鉄塔形架線柱が目立ちます。かつて関東の電鉄では多く見られたこのタイプも現存するものはかなり少なくなりました。が、丁度線路の南側に京王電鉄の上北沢変電所があるところだけ、上部を撤去したものの残っています。旧い写真の撮影地点はもっと桜上水駅より(1枚目の写真=おそらく留置線の脇あたり)と考えられますが、これを入れて撮影してみました。 さて、ここで車両の件に戻ります。 2枚目は車番が判然としませんが、1枚目ははっきりと写っていました。拡大してみましょう。 ところで、1形→2000形は1953~54年に廃車になりますが、一部は譲渡若しくは部品が流用されています。そこで、諸先輩方の研究を参照すると9の後身はこの車両でした。 江ノ島電鉄の305+355です。改造連節車の寄せ集め形式である300形の中でも唯一の新車(1960年 東横車両製)ですが、京王2000形の台枠を流用しています。そして、記録によれば京王モハ2003(←3)とモハ2009(←9)であるとされています。 ・参考文献 道村博「京王線 戦後復興期の車両と編成」鉄道ピクトリアル578号(1993年7月増) 藤田吾郎 作成「京王帝都電鉄 主要車歴表」 同 上 #
by hiro_hrkz
| 2024-03-20 02:31
| 鉄道(その他)
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2024年 03月 09日
新潟の佐渡に行って以来、7年ぶりに離島へ行ってきました。
今回の訪問先は、長崎県の福江島。バスがメインではなかったのですが、福江港附近で見ることができた車両を取り上げたいと思います。 福江島で路線バスを運行しているのは長崎自動車系列の五島自動車(五島バス)です。しかし傘下に入るのは1985年と比較的遅く、車両も独自仕様での導入が続いていました。現在は中型車が主力ですが、KC-の途中までは大型車を導入していました。 西工58MC架装したU-LVです。トップドアでメトロ窓というのは、同じ長崎県の離島である壱岐の壱岐交通を連想させます。ただし、この手の離島の路線車にありがちな高出力車ではなく、サスペンションもリーフサスとそのあたりは大人しい?仕様を選んでいます。 車内の座席も背もたれが高めのものを取り付けていて貸切用途で使ってもよい仕様となっています。 一方こちらはKC-LVで、車体も96MCになりました。 ただし、基本的な仕様は58MCと変わっておらず、前面の方向幕も小さいまま。さすがに96MCでは他に例も少なくちょっと見慣れない感じですね。 今回は五島にかつて一緒に仕事をした仲間を尋ねにいったため、バスには殆ど乗ることができませんでした(わずかに福江市街で数停留所間に乗ったのみ)。その罪滅ぼし?というわけでもないのですが、お土産としてこんなものを買いました。 #
by hiro_hrkz
| 2024-03-09 22:35
| バス(北村、西工、東特)
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2024年 02月 23日
気が付けば1年がたってしまいましたが、
漸く何両かが完成しました。 もともと第4弾は化かすネタがないなあと思っていたので、とりあえず1箱だけ買ったのですが、その結果出てきたのはキハ1・・・キハ41000のショーティーに荷台付にしたものでした。これを眺めているうちに一つアイディアが浮かびました。 この結果、思い浮かんだのは福井鉄道モハ60形や北陸鉄道モハ1200のようなステップ付の小型ボギー電車でした。ドア間の窓は柱を全て撤去して、新たにエバーグリーンの0.75×0.75mmで新製、また運転室部分の側窓は拡幅しました。一方で前面も4枚窓では気動車になってしまうので、プラ板から窓枠・窓柱を新製しています。かつて、16番の模型改造記事で、側面の窓柱を全て撤去して新たに窓枠パーツにあわせて窓柱を新製した・・・などというのを見ましたが、それと似たようなことを行ったわけです。 このほか、前面下部の連結器の台座パーツ用の切り欠きをプラ板で埋めるなどを行いました。また、テールライトは「さかつう」の真鍮パイプ(外径1mm)を使用しています。床下は鉄コレの12m級の前後を切り落としただけです。本来なら動力化したといことですが・・・鉄コレ12m級動力もしくはその代替となる小型車用動力を生産してほしいところです。 塗装はクレオスの暗緑色とGMのクリーム1号で塗りました。この結果、なんとなく荒尾市電のような雰囲気となりました。全般的には日車が昭和初期に製造した広浜・宇部電・琴平急行等の小型車の雰囲気で、また車両の大きさは銚子電鉄デハ101が近似となりました。 さて、これ以外にももう1両が完成しました。 最近のプラキットだけあってストレスもなく組めましたが、Zパンタの部分だけは多少難儀しました。塗料はメーカーの指定には従わず、茶色はMrカラーの119 RLM79 サンドイエロー、青は自家調合(ガイアのエヴァブルーにMrカラーの322 フタロシアニンブルーとGMの青緑1号を適宜混ぜたもの)を塗りました。ただ、この色は530が現在塗ってある明るめのもので、500形が普通に市内を走っていたころはもっと彩度の低い色だったように思います。 そして、15~20年前に作成した旧・外地の電車についても、昨年末のコミックマーケットにて入手した旧外地路面電車研究会の軽軽電車3、そして岡田健太郎さんの「大陸浪人路面電車」を読んだこともあり、若干手を入れてみました。 ところで、この大連市電。実部の印象から車体幅2300mm程度で作っているのですが、実物は2500mmはあるとのことでビックリしています。国内だと大阪市電などよりも広いことになります・・・さすがに今からフルスクラッチしなおす気力もありませんが・・・。 #
by hiro_hrkz
| 2024-02-23 23:00
| 模型・神奈電・架空の鉄道
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2024年 02月 12日
千葉県の舞浜駅は言わずと知れたテーマパークの最寄駅ですが、その南側にはホテル群があり各種送迎バスが運行されています。現在はモノレールが開業したり、テーマパークと提携したバスとなったため大幅に減っているようですが、かつては様々な車両が行き交っていました。その中でも変わり種の車両を2つほど取り上げたいと思います。
ピンク色の外装が目を引く新エアロスターです。なんといっても全て折戸の3扉という大阪のコムアート交通の車両を思わせる仕様が特徴です。型式はKC-MP717Pでしょうか?。ここは比較的置き換えサイクルが早く、この車両も比較的短期間での使用に留まったと記憶しています。 一方こちらは貸切系のエアロバスですが、中扉付の車両です。この仕様は淡路交通の例が知られていますが、こんなところにも採用事例がありました。登録番号から類推するに上のエアロスターと同じKC-車と考えられます。型式はKC-MS815SかKC-MS829Sか? 当時、舞浜周辺のホテルでは貸切タイプの送迎車の方が多かったのですが、その中で乗降性の改善を目的としていたのだと思います。それにしても恐らく所要時間10分程度ですから、なかなかの大盤振る舞いですね。 #
by hiro_hrkz
| 2024-02-12 23:34
| バス(三菱/呉羽)
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2024年 01月 27日
今年最初の鉄道ネタも、龍ヶ崎の車両を取り上げたいと思います。
12年前にもキハ521・522を取り上げてますが、今回は残りの1両キハ531を中心に改めてこれら3両を取り上げます。 関東鉄道竜ヶ崎線は全長4.5km、中間駅1駅のミニ路線です。車両も小世帯ですが、東京から近いこともあるのか比較的記録も多く残っているように思います。 竜ヶ崎線では、1965年の関東鉄道成立後も主に鹿島参宮鉄道時代からの機械式中小型気動車が使われていました。しかし、同社は車両の大型化と総括制御化を推進するため各地の私鉄で廃車になった液体式の大型気動車を大量に集めます。1969年10月末日に廃止になった江若鉄道からは5両を購入しますが、このうち以下の4両が1970年4月に竜ヶ崎線に配置され、番号を変更せずに使用開始しました。 ・江若鉄道キハ5121←キハ18← ←国鉄キハ42054 1937年 日本車輌製 ・江若鉄道キハ5122←キハ19←長門鉄道キハ11←国鉄キハ42017 1936年 日本車輌製 ・江若鉄道キハ5123←キニ6 1931年 日本車輌製 ・江若鉄道ハ5010←ハニフ10←キニ10 1935年 川崎車輛製 すなわち、元を辿ればキハ5121と5122は国鉄の大型ガソリンカーであるキハ42000形、キニ5123とハ5010は国鉄に先駆けて江若が揃えた18m級大型ガソリンカーの一党になります。江若は、1960年代になると車両の総括制御と貫通編成化を志向し、1965~1966年にキハ5121、キハ5122は片運転台化、ハ5010は切妻の中間車化されて3両貫通編成を組むようになります。一方、キハ5123も両運転台のまま前面に貫通路を設け総括制御車化されました。 竜ヶ崎線でも3連と単行で使用されましたが、検査時等は組み替えていたようです ※1)。しかし、3連は過剰だったのか1971年のワンマン運転化開始時にハ5010は常総線に転属しています。そして1972年9月にキハ5121、キハ5122、キハ5123の順にキハ521、522、キハ531に改番されます。 それも束の間、キハ521と522は1975年、キハ531は1977年に主に京成電鉄の車両更新を行っていた大榮車両で車体を新製し面目を一新します。 関東鉄道には国鉄キハ42000を出自とする車両が他に合計9両(キハ601~602、611~615、704、551)ありましたが、これらはもとの鋼体を流用し前頭部のみを改造しています。とくにキハ601・602、611~615は1972~75年に改造されています。また、関東鉄道は扉の増設などの大規模な車両工事は外注していましたが、その受託先は時期別に異なっています。 ・1960年代後半=日本車輌東京支店 キハ703、704、751~754 ・1970年代前半=西武所沢工場 キハ411~412、601・602、611~614、755 ・1970年代中盤=大榮車両 キハ551、721、701~702、521~522、531、311~312 ・1970年代後半以降=新潟鉄工所 キハ313以降(部品流用による実質新造車) すなわち、この3両は関東鉄道が車両の更新方法を車体流用から新造に変更するターニングポイントにあった車両といえます。それは大栄車両が京成の車両更新でノウハウを持っていたことも関係しているのではないかと推測するところです。なお、この中でキハ551は江若鉄道で総括制御改造され一旦加越能鉄道に譲渡されてから関鉄に再譲渡されたものです。車体更新前のキハ531と同系の前面を持っていましたが、似たような改造をされながらもその末路は随分と違ってしまいました。 キハ521・522・531の前面はキハ600・610を踏襲しており、折妻で貫通路付3枚窓でヘッドライトは貫通路上にある点は共通しています。これはその後キハ310形まで受け継がれました。一方で、この3両は最大長が19553mm(キハ521・522)または19490mm(キハ531)、最大幅が2720mmと国鉄キハ20・30等の20000mm・2800mmより一回り小さくキハ521・522の更新前に近い寸法になっています。その理由は判りませんが、菱枠台車のTR29を流用した点やあるいは竜ヶ崎線の建築限界が関係しているのかと考える次第です。なお、常総線ではキハ500以降は幅2800mm、キハ800以降は全長20000mmが標準になっています。 その後1981年に登場したキハ532は車体幅2800mm・最大長20000mmで常総線の新造車両に準じた車両となっています。 キハ521・522はキハ2001・2002の投入に伴い1997年に、キハ531は減車で2001年に廃車になりました。 ※1 湯口 徹『レイル No.19 私鉄紀行/からッ風にタイフォーンが聞こえる(上)』エリエイ 1986年 に掲載の写真等を参照 ・参考文献 飯島 巌・森本 富夫・諸河 久『私鉄の車両8 関東鉄道』 保育社 1985年9月 白土 貞夫『RMライブラリ―169 関東鉄道竜ヶ崎線(下)』ネコ・パブリッシング 2013年9月 稲葉 克彦『RMライブラリ―185 大榮車輛ものがたり(中)』ネコ・パブリッシング 2015年1月 #
by hiro_hrkz
| 2024-01-27 01:09
| 鉄道(非電化)
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